仕事から帰ってくると、うちの猫さんに執拗なまでに熱烈なお出迎えを受けたり、家にいる間は四六時中足元に絡み付いてきたり、飼い主の姿が見えないと大きな声でニャーニャーとなき続ける、そんなことはありませんか?
うちの子のことは大好きだけども過剰にかまって攻撃されるとちょっとイライラしてしまう・・・なんだか猫さんに対して罪悪感を感じてしまいますよね・・・。
もしかしたら、猫さんに分離不安の症状が出ているのかもしれません。
今回は猫さんの分離不安について紹介したいと思います。
目次
猫の分離不安の症状
まず、猫さんの分離不安にはどのような症状があるのが見ていきましょう。
などの症状があげられます。
猫さんによって個体差はあるかと思います。
飼い主の布団で粗相をするなどは、分離不安の中でも、飼い主への依存度が高い行動と言われています。
飼い主のお布団でおしっこしてしまうのは、飼い主のにおいと自分のにおいを混ぜ合わせて不安な気持ちを押さえ、落ち着こうとしているためです。
しかし、飼い主からみれば困ったものです。
自分の飼い猫にむかって「うっとおしい!」と思ってしまうのは心苦しいですが、これらは立派な問題行動です。
猫さんにもストレスがかかっていますので、何とかしてあげたいですよね。
そんな時はどうすればよいか。
次に、分離不安の対応策を見ていきましょう。
猫の分離不安、対応策は?
猫さんの分離不安の症状はすべて、猫さんが飼い主に依存していることからくるものです。
そして、飼い主も猫さんに依存しているがゆえに、猫さんの分離不安を引き起こしている可能性もあります。
なので、お互い少し距離をとって過ごしてみることからはじめてみましょう。
一緒に過ごす時間の対策
例えば、仕事から帰ってきてくつろいでいる時、今までは膝の上に乗っていた猫さん。
これからは猫用ベッドで過ごしてもらいましょう。
どうしても猫さんが膝の上に乗ってくる場合も根気よく猫用ベッドに誘導してあげてください。
これは猫さんと飼い主との間に一定の距離を保つためです。
分離不安は、親しい存在と一緒にいられないことによって、猫さんが不安を感じて問題行動を起こすというプロセスがあります。
なので、親しい存在、つまり飼い主と一定の距離を保つことになれることが大切です。
飼い主が構ってくれないと、猫さんが大きな声で鳴きわめく場合があります。
この場合、鳴き止めるまで心を鬼にして無視しましょう。
近所迷惑を気にする方もいるかもしれませんが、案外大丈夫なもんです。
ご近所に聞こえてるかもしれませんが、お外の猫さんがニャーニャー泣いているのと大差ないです。
気になる場合は、お部屋の窓をしっかり閉めて、猫さんの声が外に漏れるのを最小限に抑える対策をしておきましょう。
出かける前の対策
仕事に行く前、猫さんに「仕事にいってくるからね~お留守番よろしくね~!」と必要以上になでなでしていませんか?
これも、猫さんの分離不安を誘発する原因だったりします。
飼い主の方もしっかり猫さんに依存してしまっている状態ですね。
出て行く前に愛情たっぷりに接してしまうと、飼い主が出ていった後、信頼している人の姿が見えなくなるので、不安に陥る猫さんもいます。
一度そういう思いをしてしまうと、飼い主が何処かに出かける素振りを察知したらソワソワと落ち着かなくなる子もいます。
例えば、飼い主が歯を磨き始めたり、お化粧を始めたり、服を着替えだしたりすると、猫さんは「飼い主が出かける」ことを察知するのです。
そして、飼い主の気を引こうと棚からモノを落としてみたり、激しいニャーニャースリスリをしてくるでしょう。
それでも飼い主は出かけないといけませんから家を出ると、また猫さんは不安に苛まれます。
これでは非常に悪循環です。
なので、お出かけ前には過剰なスキンシップは避け、しれっと外出するようにしましょう。
我が家では家を出る前に、一応どこにいるかを確認して、それとなく「行ってきます」と声をかけて出ていくようにしています。
以前は、出かけるときに撫でて「行ってくるね~!」とやっていました^^;
しかしこれをやると、やっぱり玄関までお見送りに来てくれて「行かないで~!」みたいな行動をとられるんですよね(親バカなだけ?)
自分も出かけづらくなるので、やめるようにしました。
今ではたまにお見送りしに来る時もありますが、自分の好きな場所に座ったまま「あ、出かけるんですね」くらいの反応になりました。
それはそれでちょっと寂しいですが、いいんです、これで。
帰宅時の対策
お仕事や外出からお家に帰ってきたとき、猫さんの熱烈なお出迎えにたいして「ただいま~!いい子にお留守番してた??」としっかりなでなでしていませんか?
これも猫さんの分離不安を助長させてしまう一つの飼い主行動なんです。
飼い主が留守中、不安を感じていた猫さんは飼い主の帰宅にとっても安心感を感じます。
すると、次の外出時にさらに不安になってしまうのです。
なので、帰宅時に熱烈にお出迎えに来る猫さんに対しても、しっかり撫でるのではなく、「ただいま」と微笑みかける程度にとどめておきましょう。
初めのうちは猛烈なスリスリで動けなくなるかもしれませんが、何日か続けていればだんだん猫さんも慣れてきます。
猛烈なスリスリが終わって、飼い主もお部屋で過ごす身支度が整ったくらいのタイミングでしっかりスキンシップを取ってあげましょう。
猫さんのペースに合わせるのではなく、飼い主のペースに合わせてもらう感覚です。
なぜ分離不安になるのか
そもそも、なぜ猫さんは分離不安になってしまうのでしょうか。
もともと分離不安は、わんちゃんにはよく見られる症状で、猫さんにはあまり見られませんでした。
わんちゃんは飼い主に従順に生活するスタイルがありますので、昔から分離不安の症状が出て、飼い主が留守中に吠え続けたりすることが近隣住民への迷惑ともなり問題視されていました。
一方猫さんは、「人に懐かず家に着く」といわれてきましたので、飼い主に依存することはあまりありませんでした。
しかし近年、猫さんの飼育スタイルもかなり変化がありました。
完全室内飼いが推奨されたり、猫さんにものすごく愛情を注ぐ飼い主が増えたというのが原因の一つと言われています。
昔は飼い猫でも自由にお外を散歩していたり、猫さんは寄ってこないものというのが一般的な考え方でしたが、現在は室内で基本的に人間とともに生活するというスタイルが定着しつつありますもんね。
特に、一人暮らしの飼い主と1匹の猫さんで暮らしていると、猫さんも飼い主もお互いに依存しあってしまい、分離不安症の症状が出てしまうケースが圧倒的に多いといわれています。
猫とのいい関係を築くために
猫さんにとっても飼い主にとっても、分離不安の気持ちに悩まされるのはストレスになります。
分離不安に悩まされないためには、猫さんと飼い主の間にいい距離感を保ち、お互いに依存しあわないのが大切です。
距離感は猫さんと飼い主それぞれ適切な距離があるかと思いますが、基本スタンスとしては、猫さんは気ままに過ごし、気が向いたときや撫ででほしい時だけ飼い主のところにやってくるのというのを目安にしてみてはいかがでしょうか。
飼い主側も必要以上に猫さんにべたべたしないことに慣れると、不意に猫さんが自分のところにやってきてスリスリしてくれた時の喜びが倍増しますよ…!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
猫さんの分離不安というのは人間でいうところの心の病です。
人間でいうと、極度の緊張で胸がどきどきいったり、冷や汗や震えが止まらなくなったりという感覚に近い精神状態です。
愛する猫さんをそんな状態にさせないためにも、飼い主側も依存を抑えて、猫さんも心身ともに心地よく一緒に暮らせる環境を作ってあげたいですね。