昨今、猫さんのサマーカットをした写真がTwitterやインスタグラムなどでよくアップされるようになりました。
特に長毛の猫さんは、暑さ対策としてサマーカットをしているということですが、本当に猫さんにサマーカットは必要でしょうか。
私は、猫さんのサマーカットはデメリットの方が多く、しかもリスクが高いと感じるのでおすすめはしません。
今回は私が猫さんのサマーカットをおすすめしない理由とサマーカットした方がいいときはどんなときかを紹介していきます。
目次
猫のサマーカットはデメリットが多い
長毛の猫さんは特に夏になるとサマーカットをして、ライオンヘアーになる子もみかけますよね。
実際のところ猫さんのサマーカットは、メリットよりもデメリットの方が目立つのです。
そのデメリットを一つずつ見ていきましょう。
皮膚に直接紫外線を受けることになる
猫さんの皮毛は、薄い皮膚を紫外線から守る役割も果たしています。
猫さんの皮膚はとても薄いです。
サマーカットすることで、皮膚を紫外線から守ってくれていた皮毛がなくなってしまいますので、薄い皮膚に直接紫外線を受けることになります。
そうなると、猫さんが皮膚病になるリスクがグンと上がってしまいます。
また、直射日光を薄い皮膚に直接浴びることで、皮膚が日に焼けた状態になります。
人間でも、夏にプールや海に行くと日焼けして、肌がひりひりしますよね。それと同じく、猫さんの皮膚もじりじりと焼けてしまいます。
夏でも日向ぼっこをする猫さんは特に注意が必要です。
皮膚を自分の舌で傷つける可能性が高い
猫さんは自分の体を舌で舐めてきれいにするグルーミングという習慣があります。
猫さんの舌の表面は、トゲトゲでザラザラなのはご存じですよね?
この舌で、皮毛がなくなって薄い皮膚がむき出しになった体をなめると、皮膚が傷ついてしまいます。
最悪、出血したり、出血したところからさらにバイ菌が入り炎症を起こしてしまうことも…。
毛がなくなることによるストレス
本来猫さんは、全身皮毛で被われている動物であり、季節によってその毛を換毛して生きています。
サマーカットするということは、本来の姿ではなくなるので、当然ストレスが溜まります。
猫さんは不安を感じたりイライラしたりストレスを感じるとグルーミングをして自分を落ち着けようとします。
すると、前述した通りザラザラの舌で全身舐めることになるので、肌を傷つけてしまいます。
肌を傷つけると、もちろん痛いですよね。消毒薬治療が必要になったり…。そうなると、さらに猫さんにはストレスになります。
もう悪循環ですね。
脱毛症になり、元通り毛が生えてこない可能性がある
猫さんの皮毛をカットしてしまうと、毛質が変わってしまうことがあります。
色が変わってしまったりもありますが、一番厄介なのが、皮毛がはえてこなくなること。
ヒト夏だけのつもりでサマーカットしたのに、二度と猫さんの毛が生えてこない可能性があるのです。
毛がない状態が慢性的に続けば、猫さんのストレスも慢性的に続きます。
何処まで切ったら生えてこなくなるかなどははっきりしていませんので、みんながみんな脱毛症になるわけではありませんが、できるだけリスクは回避してあげたいですよね。
サマーカットしたからといって、熱中症にならないわけではない。
サマーカットの目的としては、猫さんができるだけ涼しく過ごせるようにと考えている飼い主さんが多いと思います。
また、クーラーをつけっぱなしにして外出することに抵抗のある飼い主さんは、サマーカットすることでクーラーをつけなくてもよいと考えているかもしれません。
しかし、サマーカットしたからといって熱中症にならないとは限らないです。
確かに、サマーカットしていない猫さんよりは多少涼しさを感じていますが、それでも過ごしているお部屋の温度が高すぎると、やはり熱中症になってしまいます。
結局お部屋の温度を適温に保つためにエアコンを使うことになりますから、サマーカットは必要ありませんよね。
サマーカットするなら
長毛猫さんのストレスにならない程度のカットはしてあげるとよいです。
たとえば、
は許容範囲です。
切らない方がストレスになる場合は、切り方やどれくらい長さを残すかなどを考えて切ってあげましょう。
初めてサマーカットをするなら、自分でやるよりは、猫さんの被毛のカットができるトリマーさんを見つけてしてもらった方が間違いはないです。
その場合は、しっかりと残す毛の長さを伝えるようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
もしかしたら、この夏サマーカットを考えていた方にはテンションの下がる内容だったかもしれません。
しかし、猫さんの皮毛を切るということは、猫さんにとってデメリットが多いと言うことを伝えたかったのです。
SNSで可愛いともてはやされるかもしれませんが、皮膚病やストレスからの怪我のリスクがあることを知っておいてください。