我が家の猫さんにマイクロチップを入れるかどうか、猫さんの飼い主さんなら一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
最近ではペットショップで販売されている段階からマイクロチップが挿入されていたり、保護猫を動物病院から譲り受ける時にすでにマイクロチップ挿入済みの子もいたりするようです。
民間の保護団体でも、譲渡の条件としてマイクロチップを挿入することを明記しているところもあったりします。
すでに猫さんと一緒に暮らしていて、マイクロチップを入れていない飼い主さんへ、マイクロチップに関する情報をまとめてみました。
ぜひご参考にしてください。
目次
マイクロチップとは
そもそもマイクロチップとはどういったものなのか。
マイクロチップは生体適合ガラスでできた直径2mm・長さ8mmから12mm程度の円筒形でその中には、ICチップ・コンデンサ・電極コイルなどからなる「電子タグ」が入った電子標識器具です。
その電子タグには。15桁の固有の番号がデータとして入っており、リーダーと呼ばれる専用の読取機でスキャンして中の情報を読み取ることができます。
耐久性は約30年程度で、交換する必要もなく半永久的に使用することができます。
猫さんの寿命がだいたい約20年程ですから、一度挿入すれば寿命を全うするまでずっと使い続けることができますね。
マイクロチップを入れるには?
マイクロチップは猫さんの首から背中にかけての肩甲骨のあたりの皮下に挿入されます。
マイクロチップを挿入することは獣医療行為ですので、動物病院で獣医師が挿入します。
挿入は、専用のインジェクターと呼ばれる挿入機を使って行います。
インジェクターの針は普通の注射器よりも針が太く、注射が苦手な猫さんは大変そうですが、基本的には麻酔や鎮静剤などは使わずに行われます。(局所麻酔など、動物病院によっては行うところもあるようです)
マイクロチップを入れられる年齢としては生後4週間目から可能です。
マイクロチップ挿入にかかる費用
マイクロチップ挿入にかかる費用としては、挿入の処置に約6,000円前後、そして、チップに情報を登録するための情報登録費用として1,000円かかります。
すべて合わせて約7,000円前後の費用がかかります。
マイクロチップに登録した情報はどこで管理される?
マイクロチップには、
などが記録することができます。
GPSの機能はなく、行方不明になった猫さんがどこにいるかわかるような機能はありません。
登録した情報は、AIPO(動物ID普及推進会議)にて管理されます。
マイクロチップの挿入を行っている動物病院に登録用紙がおいてあるので、そこに必要事項を記入して専用封筒で発送すると登録されます。
引っ越しや電話番号の変更などによる登録データ変更もすることができます。
申込書の控えや、登録完了通知ハガキを使って郵送で変更手続きをすることもできますし、オンラインの登録変更フォームから簡単に登録情報を変更することもできます。
変更には費用はかかりません。
マイクロチップのメリット
マイクロチップを入れることでどんなメリットがあるのかを見ていきましょう。
身元がわかる
まず一番のメリットとしては、災害や脱走などで家の外に出てしまい、出先で保護された場合に身元がわかるということです。
マイクロチップの中には、飼い主の個人情報も登録されていますので、保護した方が動物病院に連れて行ってくれたり、動物愛護センターなどに保護されると、マイクロチップを読み取り、飼い主の身元がわかるので、再開できる可能性がグッと上がります。
外れる心配がない
猫さんの場合、首輪をつけている子も多いと思いますし、もしものときのために迷子札をつけている子も最近増えてきました。
迷子札をつけているだけでも、災害や脱走時の帰還率はかなり上がります。
しかし、首輪の場合、外れてしまう可能性が捨てきれません。
最近の猫さん用の首輪は、セーフティバックルと言って、強い力で引っ張ったりすると外れるような作りになっています。
これは家の中で暮らす猫が、どこかに首輪を引っ掛けたまま動けなくなったり、パニックになって怪我をするのを防ぐためのものです。
家の中にいる分にはセーフティバックルが安心なのですが、万が一お外に出てしまった場合、木の枝などに首輪を引っ掛けてはずしてしまうと、野良猫状態になり身元がわからなくなります。
最悪飼い主さんのもとに帰ってこれないという状況になってしまいますよね。
マイクロチップは、猫さんの皮下に挿入されていますので、お外で落としてしまうという心配はありません。
読取機さえあれば、飼い主の身元がわかるのです。
あと、これはおまけ程度の機能らしいのですが、猫さんの体温を測る事ができるらしいです。
マイクロチップのデメリット
まだマイクロチップの挿入の検討段階にいる方が一番気になるのが、デメリットですよね。
私もここを一番重点的に調べましたの、シェアしていきたいと思います。
盗難防止にはならない。
マイクロチップの中には飼い主の情報が入っていますが、猫さんの盗難の場合、盗難した人がマイクロチップの存在を隠して(気づかずにいて)しまうと、なんの効果も発揮しません。
恣意的な盗難であると届け出することはないでしょうし、予防にはなりませんね。
対応する読取機がない機関がある。
現在マイクロチップの規格は日本で統一して流通されており、4つの会社がそのマイクロチップの輸入販売を行っています。
そして、各動物病院や愛護センターなどはその統一規格のマイクロチップをスキャンできるリーダーを複数所有することで、流通しているマイクロチップを読み取ることは可能になってきいるようです。
しかし、チップの周波数が統一流通しているものと違うマイナーなマイクロチップが存在することもあるようです。
その場合AIPOでデータが管理されないなどの問題もあるようなので、マイクロチップを挿入する場合は必ずAIPOに情報を登録できるか、日本で流通している規格のマイクロチップなのかどうかをしっかり獣医師に確認するようにしましょう。
MRI検査で磁気が影響する?
マイクロチップを入れている状態でMRI検査をした時に、検査画像が乱れるという話があります。
実際には、一般的に動物病院で使用されているMRIの機器だと診察に問題のない画像は撮れるようです。
大きな動物病院にある、更に精度の高いMRIになると画像の歪みが生じたりすることもあるとのことでした。
この時にマイクロチップから出る磁力は極微量なもので、猫さんの身体には影響しないようです。
心配な方は、MRIやレントゲンを撮る際に獣医師に「マイクロチップ入ってます」と伝えておくのがよいでしょう。
挿入したマイクロチップが移動してしまう
挿入時は猫さんの肩甲骨周りに入れたマイクロチップが皮下を移動して、脇の方までいってしまい、スキャンできなかったという事例もあるようです。
健康被害はないようですが、スキャンする時にマイクロチップの場所がわからなくては元も子もありませんよね。
マイクロチップがどこになるかは、外見的な見た目ではなかなか分かりづらいので、皮下を移動されると厄介です。
これに関しては、マイクロチップ挿入後しばらく激しい運動をしないことで、予防できる可能性が高いようです。
注射部位肉腫の心配
マイクロチップを挿入することで、猫さん特有の皮膚がん「注射部位肉腫」になるというウワサもあるようです。
このがんは、猫さんのワクチン接種に起因していると考えられていたことから「ワクチン接種部位肉腫」「ワクチン関連肉腫」と呼ばれていましが、現在はワクチンに限らず、特定の薬剤の接種でも起こることから「注射部位肉腫」と呼ばれるようになりました。
マイクロチップも注射器よりも針の太いインジェクターを使って挿入することから、がんの形成を促してしまうんじゃないかと心配する飼い主さんも多いようです。
しかし、マイクロチップは現在までに世界中の猫さんたちに入れてこられていますが、インジェクターが原因で「注射部位肉腫」担ったという事例は今の所ないようですね。
単純に抵抗がある
まだマイクロチップを入れていない方の大半は、単純に抵抗があるのではないかと思います。
ここまでいろいろ書いてきましたが、私自身、サスケにはまだマイクロチップは入れていません。
確かに身元がはっきりするし、もしものときには絶対あったほうがいいと思います。
今回いろいろ調べてみて、デメリットにまさるメリットがあるなと感じました。
でもね、なんかね、抵抗があるんですよね。身体の中に電子機器を入れるということが。
ヨーロッパではペットにマイクロチップを入れるのはもちろん、人間の手の甲にマイクロチップを埋め込んでオートロックを開けたり、電子マネーで決済したりしてるようなので、時代はどんどん未来的になってきているようですが、単純に怖いのだと思います。
なにか身体に影響があったらどうしようとか。そういう精神的な不安が除けないのでしょう。
でも、そういう方は私だけじゃなくていっぱいいると思うんです。
そういう方は、迷子札はしっかりつけてあげるようにしましょう。サスケは迷子札はしっかりつけています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
マイクロチップについて調べたことが、私自身まだマイクロチップを入れようと決断はできませんが、検討している方の参考になれば幸いです。
環境省では、平成30年までにマイクロチップ装着の義務化を検討すると発表しています。(「動物の愛護及び管理に関する法律」附則第14条および15条(平成24年9月改正)
近々、本格的にマイクロチップの挿入に向けての準備(考え方の準備?)を始めないいけないフェーズに入ってきましたね。
挿入するその日までに、しっかりと不安を払拭できるよう情報収集は続けていきたいと思います。
また新しい情報がゲットできれば、このブログでもシェアしていきたいと思います。